去年の2月頃に端を発したコロナウィルスですが、いまだに、収束のめどが立っておらず、すでに、1年以上が過ぎてしまいました。

夏には、オリンピックの開催が控えており、ようやく、始まったワクチン接種次第のような気もしますが、自分たちには、どうしようもないことなので、これまで通り、気をつけながらの生活が続きそうです。

最近では、アフターコロナという言葉も流行っており、時代の先を見ようという動きも多いですが、個人的には、ある程度、落ち着いたところで、元の生活に戻る人が多い気がしています。

ただ、このコロナ渦の影響で、リモートワークでの仕事になんの問題もないという人にとって、元の生活に戻るという選択肢は、あまり、合理的ではなく、コロナ後で、元に戻る人、戻らない人と二通りの生き方になっていくのかも知れません。

それは、人や職種によって、大きく分かれてくるところではありますが、一人で仕事をしたほうが、集中できて、より、多くの成果が得られる人ならば、元の働き方に戻るは、意味がないことなのでしょう。

そういう働き方が、新たなスタンダードになるかというと、それは、言い過ぎだと思いますが、このコロナの影響によって、生活のスタイル自体に、変化が起きていることは間違いないように思います。

それは、人との距離の取り方でも言えることかも知れませんが、働き方や普段の生活全般においてのライフスタイルにも多くの影響がある気がします。

ここ10年ほどの間に、世の中は、目まぐるしく変化をしていて、その大きな要因は、デジタル化によることは間違いないのですが、今回のコロナウィルスの影響は、それをさらに、加速させています。

生活の中に、デジタルが入り込むことによる変化は、利便性という意味では、とても大きなものなので、多くの人が実感できるものだと思いますが、実際のところ、それは、人間の感情や思考に対しても大きく作用しているように思います。

その変化の中で、人が何に価値を感じるようになっているのか?というのは、実は、人の根源的な欲求に根差したものであるというのは、人と気軽に会えない状況において、大いに感じることではありますが、人と一緒にいることの価値と共に、逆に、必要のない人との接触から解放されたことにも価値を感じている人は多い気がします。

それを考えると、コロナ後の変化は、人との接触において、必要なものと必要でないものとの取捨選択が一つの大きな要素になりそうですが、必要以上に、人と接触しなくても生活ができる人にとっては、元の生活に戻る選択肢はないように思います。

もう一つの要素として、これは、数年前から言われていることですが、場所を選ばず、好きなところで生活する人が増えるという変化があります。

それは、一時期流行った、地方への移住というものではなく、都市で仕事の基盤を置きつつ、生活の重心は地方に置いて生活する他拠点生活というものです。

それは、ワークとライフの分離ともいえるもので、デジタルでほぼ完結するワークは都市に基盤を置きつつ、実際の生活におけるライフは、より、自然に近いところだったり、人との繋がりが心地良い場所を選択することでもあります。

都市と地方の他拠点生活というのは、ここ5、6年ほどの間に出てきた一つの考え方ですが、現実的に、そんな生活が可能な人が増えているのは、コロナ渦の一つの副産物だと言えます。

都会と田舎、どちらが住みやすいかというのは、その人自身の価値観や仕事の仕方にもよりますが、そのどちらのいいところをとれる生き方ができるのであれば(都会での刺激と田舎でのリラックスした生活)、そんなライフスタイルを志向する人が増えるのは時代の流れなのだと思います。

地方には、自然やその土地ならではのおいしい食べ物などがあり、外から来る人にとっては、多いに魅力があると思いますが、定住するほどではないにしろ、一年の間で、一定の期間だけでも生活をしてみたいという人が増えることは、それを受け入れる側には、大きな可能性があるので、地方に住む人間としては、これから注目していきたい要素の一つです。