今年は、暖冬の影響で、1月、2月と、過ごしやすい日が続いています。
昼間は、暖房を使わなくても過ごせる日も多いので、省エネという意味でも助かります。
最近の住宅は、断熱性が向上しているので、昔と比べて、生活しやすくなっていますが、その分、窓が小さかったりして、外の環境から閉じているという意味では、少し、味気なく感じるように思います。
住宅には、アクティブデザインとパッシブデザインという概念があり、最近の家の多くは、アクティブデザインを用いられています。
アクティブデザインとは、内部の環境空間をエアコンなどを使って、人工的に、コントロールするというものですが、太陽光発電やエコキュートなどもこれに入ります。
エネルギー効率を良くするために、断熱性を高めて、窓を小さくするというのも、その特徴の一つですが、外から閉じて、内側をコントロールするというイメージです。
住宅内のセンサーとITとAIなどのテクノロジーを使って、エネルギーの消費を最適にコントロールするというのがアクティブハウスの最終形とも言えるものですが、将来は、AIの学習によって、住み続けるほど、エネルギーの効率化が図れるような住宅ができてくるのかも知れません。
これに対して、パッシブデザインというものは、昔の日本の家屋のように、太陽の熱や風を取り込むことにより、住環境を良くしようという考え方です。
言葉そのものの意味としては、アクティブの反対で、受動的というものですが、自然環境の力を借りて、快適な住環境をつくるというものです。
もちろん、昔の家のままでは、快適性や省エネ性には、限界があるので、今の技術と組み合わせて、その上で、外側の環境を取り込むことにより、快適な住環境を作るというイメージです。
具体的には、吹き抜けに高窓を作って、排熱をしたり、窓の配置で風の通り道を設計することで、風の流れを取り入れたりというものがあります。
最近の家は、軒が極端に小さかったり、まったくなかったりという住宅もありますが、適切な長さの軒を作ることで、季節によって、日差しを取り込んだり、遮ったりというのも、その一つです。
深い軒は、季節によって、光を取り入れたり、遮ったりできます(太陽の登る角度が違うので、夏は、日差しを遮り、冬は、逆に、日差しを取り込めます)。
軒がない変わりに、南側に、屋根やシェード付きのウッドデッキを作るというのも、日差しをコントロールするには、とても有効ですが、最近のアウトドアブームもあって、その需要も増えているように思います。
閉じて作る快適な空間と、ある程度、外側に開くことで、作る快適な空間というのは、その家の周りの環境にもよると思いますが、外側に自然な環境がある場所なら、パッシブデザインを用いた家のほうが快適に過ごせるように思います。