ヨーロッパは、石造りの建物が多いので、街を歩いていても、古い町並みが残っていて、歴史を感じるところが魅力です。

最近は、日本にも、多くの観光客が訪れるようになりましたが、人気があるのは、やはり、日本らしさを感じる古い町並みの残るところが多いように思います。

東京や大阪という街は、例外的に、ごちゃごちゃとして、新しいものがどんどん出て来るという部分が魅力だと思いますが、それでも、やはり、京都や奈良といった場所には、古き良き、日本の文化を感じるという意味で、外国人に人気なのだと思います。

京都や奈良は、小学生のころに、修学旅行に行ったというのが、一番の思い出ですが、そのころは、特に、日本の歴史や文化に興味もなかったので、寺社や仏閣を訪れても、それほど、感動もなく、退屈に感じたものですが、今なら、その魅力も理解できるように思います。

日本は、木でできた建物がほとんどなので、歴史的に残すには、何度も修復を繰り返してきたのだと思いますが、その都度、色々な部分が入れ替わりながら残っている事実は、日本の独特な技術と職人性を感じます。

日本の建物は、古い物ほど、修繕する回数や場所が多いのだと思いますが、それは、まるで、人の細胞が入れ替わるように存在するようで、一つの生命のようにも感じます(建築家の隈研吾は、日本の建物は、木が腐ることで、修繕ができるからこそ、古い建物でも生き残れるのがいいところだと言っています)。

それが、日本の固有の文化につながっているように思いますが、日本が世界に誇れる文化の一つだと思います。

日本人は、繊細で、職人気質なところが、最も、特徴的な民族だと思いますが、その性質は、これからも残していくことが、これから、大きな意味を持つように思います。

最近は、世界的に、日本の存在感が小さくなっていると言われていますが、歴史のある国だからこそ、経済的な側面だけでなく、固有の文化を持つことに誇りをもっても良いように思います。

日本国内を旅行すると、まだまだ、古い町並みが残っているところが多いですが、そういう場所は、外国からの旅行者から見て、とても、魅力的に感じると思います。

古い町並みの残る高山や金沢は、外国人にも人気の観光エリアになりましたが、外国人が多く訪れることで、街自体も、新しい刺激をもらって、日本人にとっても、洗練された魅力を感じる場所になっています。

ただ、古いだけのものには、価値はないのかも知れませんが、それを大切に扱い、長く使い続けることで、個性が際立ち、他とは違う物だという認識ができます。

最近は、町おこしに、古民家をリノベーションして宿泊施設にしたりと、日本の文化を感じらえるような工夫をする自治体も増えていますが、古い物に触れることは、今の時代を生きる人にとっては、とても、価値のあることだと思います。

木や土でできた建物というのは、地震の多い日本の風土を考えると、それが、長い年月をかけて残っていること自体が、素晴らしいことのように思いますが、古い物を残すという昔の人の知恵は、今の時代に、大きな価値となって、人を引き付ける原動力になっています。

移り変わりの速い世の中に合って、昔ながら変わることのない物は、それだけで、存在感を感じられますが、長く残るものほど、中心の部分は変わらず、表面的な部分を時代に合ったものに、変えることで、さらに、多くの価値をもたらすのだと思います。

日本は、歴史のある旅館なども多く存在するので、まだまだ、掘り起こせる魅力は、多いと思いますが、古い建物にある歴史と落ち着いた空間は、それ自体に大きな魅力があるので、日本の魅力を再発見するという意味でも、色々な場所に訪れてみたいと思います。