最近、急に、春めいてきて、昼間は、ぽかぽかと気持ちの良い陽気の日が続いています。
例年、3月に入ると、寒さが和らぐ印象がありますが、今年は、いつも以上に、暖かくなるのが早いので、このまま、春に向かって、すすんでいくのかも知れません。
寒い時期は、窓を閉め切りにして過ごすことが多いので、なかなか、家に風を通すのが難しいですが、これくらい気温が上がってくれば、昼間は、窓を開けて、風を通して、過ごすのが、気持ちの良い季節になってきました。
最近の家は、断熱性能を上げるために、窓の少ない家も多くなりましたが、家に風を通すことは、家の寿命を延ばすことにもつながるので、とても、重要です。
昔の家は、『夏を旨とし』という考え方が強かったので、いかに、夏の湿気を和らげて、風を通すかに重点を置かれていましたが、時代の変化とともに、今は、それ以上に、省エネの観点からも、断熱性の高い家が求められているので、窓の少ない家が主流になってきました。
ただ、だからと言って、風の通らない家がいいというわけではなく、現代においても、日本の気候には、風通しのいい家というのは、気持ちの面でも、住宅の寿命という意味でも、重要な役割があります。
風通しがいいという言葉は、組織などにおいても人間関係の比喩にも使われますが、それだけ、日本人にとって、風が通ることによる心理的な効果は、大きいということだと思います。
風通しの悪い家は、空気がよどんで、あまり、健康的なイメージがありませんが、湿気がたまることで、カビの繁殖を招いたり、埃がたまったりと、実際に、健康にも悪影響があります。
今の家は、一時期、問題となったシックハウスの影響で、24時間換気システムにより、空気が入れ替わるのが義務付けられていますが、それでも、実際に、窓から、風を通すことの効果には、適いません。
それは、心理的にも感じることですが、実際に、風を通すことの効果は、カビやダニの繁殖を抑えることにもつながるので、気持ちの良い空間作りには、とても、重要です。
窓の効果は、当然ですが、外側からの光を取り入れる効果もあるので、自然光の中での気持ちの良い生活にも必要なものです。
高い断熱性の上で、窓の多い家を造るとなると、なかなか、難しいものがありますが、高性能な断熱窓を使うことで、両立は可能です。
一年を通して、室温の変化が少なく、光と風も通る家というのは、住んでいて、一番、快適に感じられるものですが、高性能な窓は、コストがかかる分、取り入れるのが難しいと感じる人も多いかも知れませんが、そもそも、高性能な窓の存在自体を知らない人が多いのも問題だと思います。
住宅メーカーの宣伝などもあって、窓が小さい理由はデザインにあると思っている人も多いかも知れませんが、断熱性の高い窓は、コストがかかるので、実際のところ、コストを下げるという意味のほうが大きいです。
できるだけ、コストをかけずに、断熱性を上げようと思えば、温度の逃げやすい窓を小さくするのが合理的な選択となるからです。
ただ、その分、自然光や風の通り道が少なくなるので、快適性を犠牲にしていると言えます。
もちろん、光の入り方や、風の通り道を考えた場所に窓を設置することで、ある程度、その問題も解決できるので、設計者の知識次第で、だいぶ、快適さに違いが出ると思いますが、できることなら、昔の家のように、窓の大きい家にしたほうが、快適な暮らしはできます。
コストは、全体的なバランスを考えれば、色々と削れる部分はあるので、何を優先して、何を犠牲にするかを考えることが大切ですが、それには、ある程度の知識をもって、相談ができる業者に頼むのが重要になります。
風の通る家は、想像するだけで、心地よさを感じますが、実際に、春や秋には、窓を開けて、風を通しながらの生活は、とても、気持ちの良いものです。
家族との関係性を考える上でも、風通しのいい家というのは、住む人の気持ちを良くしてくれるという意味でも、大切ですが、風が通ることで木を腐らせずに、長持ちさせる効果もあるので、家自体の健康にも、大いに関係があります(住む人のいなくなった家が、すぐに、ダメになってしまうのは、風が通らず、湿気により、木が腐ってしまうからです)。
人の暮らしは、時代によって、変わっていくものだと思いますが、昔と変わらず大切にしたほうがいい価値観は、必ずあるので、そういうものは残しつつ、新しいものを取り入れていくと、より、価値の高い暮らしができると思います。