ここ数年、住宅の環境も変わり、吹き抜けのある広々としたリビングのある家が主流になってきました。

リビングを広く取れるようになった一番大きな理由は、住宅の断熱性の向上によるものですが、それによって、家族でリビングで過ごす時間も多くなり、最近では、リビングで勉強する子供も増えています。

一時期、リビングで勉強する子供は、賢く育つという言説なども流行りましたが、それには、色々と条件もあり、メリット、デメリットの両方があるようです。

大流行「リビング学習」は”諸刃の剣”である

https://toyokeizai.net/articles/-/198653

リビング学習のメリットとデメリット。効果をより上げるアイテムも活用しよう!

https://benesse.jp/kyouiku/201705/20170505-1.html

リビングで勉強するメリットは、親に見守られながら勉強することで、リラックスして勉強に取り組めることと、人がいる空間で勉強することで、集中力が養えることです。

ひと昔前は、子供部屋で、一人で勉強をするのが当たり前でしたが、孤立した空間は、色々と誘惑に駆られて、なかなか、勉強に集中できなかったり、引きこもりの原因ともなり、今の時代は、最低限の子供部屋があればいいという考え方に変わっています。

特に、現代のスマホを持つのが当たり前の時代では、よほど、自制心が無いとその誘惑に勝てないので、親や兄弟と一緒の空間で、リラックスしつつも、緊張感を持てるリビングの存在は、とても、大きなものです。

リビングで、勉強する他のメリットは、親が見守ってくれる安心感により、わからないところは、教えてもらえるというのも大きいです。

それには、親が押し付けるような接し方では逆効果になりますが、子供が聞いてきたときに、いつでも、答えてあげたり、一緒に考えるという姿勢をもって接することで、子供のやる気を持続させ、自然と勉強をする子供に育ちます。

もう一つのメリットは、毎日、決まった時間に勉強をすることで、勉強する習慣をつけることにつながることです。

大人にとっても、同じだと思いますが、集中力が続く時間は、意外と短いものです。

ただ、決まった時間に、勉強をするという習慣をつければ、その時間だけ、集中して勉強ができるので、効率良く、時間を使うことを学ぶことにもつながります。

最近は、子供をほめることで、自己肯定感を養うことを推奨する言説が増えていますが、子供と一緒に過ごす時間が増えれば、それだけ、ほめる機会も多くなります。

ただ、ほめることには、メリット、デメリットがあり、子供を延ばすほめ方として有効なのは、努力すること自体をほめることです。

子供が結果を出すと、ついつい、親も嬉しく感じるので、その都度、ほめてしまいがちになってしまうかも知れませんが、結果ばかりをほめると、子供は、結果を出すことにこだわり、それが、逆に、プレッシャーになって、努力をするのが嫌いになってしまうデメリットがあります(もっと悪いのは、ずるをしてでも結果を出すような子供に育ってしまう可能性があることです)。

結果を出すには、継続した努力が大切なのは理解できると思いまうが、それには、結果に関わらず、毎日の努力をほめてあげることで、子供のやる気の持続に繋がり、結果として、子供に大きなプラスの影響を与えられます。

もちろん、広いリビングさえあれば、賢い子供が育つわけではなく、賢い子供を育てるには、子供の好奇心を刺激するのが、身近にあるのも重要な要素です。

特に、共通の本棚があることが重要で、小さい子供のころは絵本だったり、図鑑などが子供の好奇心を育てるには、有効だと言われていますが、大人が読む本も、同じ本棚にあることで、子供の成長に合わせて、そういう本にも、興味を持つようになるので、好奇心の強い子供に育てることができます。

もちろん、それには、親の態度も重要で、本を読まない親が、子供に、本を読むことをすすめても、あまり、説得力がないので、子供と一緒にいるときに、親が読書をする姿勢を見せることで、自然に子供も本を読むことに興味を持つようになります。

教育には、正解というものはありませんが、家作りにおいては、できるだけ、家族が一緒に過ごす時間が多くなるような場所を作って、リラックスしつつも、緊張感を持てるような空間があると、子育ての大きな助けになると思います。

最近は、共働きの家庭が増えているので、男性が家事をする姿を子供にみせることも、今の時代には、教育にとって、大きな意味を持つと思います。

子供は、親の背中を見て育つといいますが、できるだけ、子供と過ごす時間を多くして、規範になるような生活態度で接することができるようになるのが一番だと言えます。